2020.11.19ワキサカコウジ
ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわタイランド」第12回
馬鹿と煙は高いところへ上ると申しますが、不思議な事に僕も高いところが大好きなのでございます。特に嫌な事があった時(例えば姪っ子に、おじちゃんはカメの匂いがするねと言われた時)などは、東京タワーの展望台に直行し、鳥瞰図のような街をボーっと眺めればあら不思議。なんだか些細な事のような気がして忘れられるのです。…下りのエレベーターで思い出すけどね。ちなみに日本で高いところのお気に入りは、ギネスブックにも載った全長120mの牛久大仏。茨城県の長閑な田舎の風景の中に唐突に巨大な人の姿がヌっと立っているのであります。たぶん気弱な犬だったらチビるでしょうね。そして内部の展望室からはスカイツリーや富士山が見えるのですが、何しろ大仏の中から見ているので、いつもより少しありがたい気になるのです。
さて。タイに目を向ければ、バンコクも高いところ好きには楽しい街でございます。例えば初めてバンヤンツリーのルーフトップバーに行ったときはかなり驚きました。夜景の綺麗さやバーのお洒落さよりも、建物のフチ、ギリギリまでいける事に。柵からちょっと身を乗り出せばそこはもう空中。絶対にここでトランポリンとかしないほうがいいと思います。そういえばこの時一緒に行った友人は、いつかここでプロポーズをして、もし失敗したら飛ぶと言っていましたが、その後音信不通なのが答えなのでしょうか。
もうひとつバンコクの高いところで印象に残っているのはマハナコーンタワーの78階にある「マハナコーン・スカイウォーク」。地上314mの高さの展望台で、バンコクでも随一の高さを誇ります。で、ご存知の方も多いと思いますが、ここの特徴は展望台の床が透明なガラスであること。つまり自分が空中に浮かんでいるような感覚になるのです。僕も昨年訪れてみたのですが、足元の透明な部分に最初の一歩を踏み出すのが意外と怖い!高さはもちろんのこと、これって本当に絶対、決して、神に誓って割れない?という不安。僕は昔からガラスへの信頼感がガラスのハートなのです。しかし勇気を出して、えいっとガラスに乗ってみました。うわ、こわ。足が震えて下を見れないぞ…男性にしか分からないであろう表現をお許し願えるなら、ゴールデンなボールがひゅんとなる、あの感じ!どの感じか分からない女子は、近くにいる一番大切な人に聞いてみようね。もしいなかったらごめんね。…だとかそんな事はさておき、しばらく経つとだんだん怖さも薄れ、足元も平気で見れるようになりました。自分が中年男性なのも忘れて、まるで街を見下ろす天使のような気持ちに。なんなら、より良い写真(構図によっては空中に浮かんだような写真が撮れる)を撮ろうとするアジアの団体ツアーの方達に、ぐいぐい押されてどかされた事のほうが怖かったよね。
ガラスの上はカメラ禁止。1人だったので警備員さんに撮ってもらうハメになったぞ。
さて。タイに目を向ければ、バンコクも高いところ好きには楽しい街でございます。例えば初めてバンヤンツリーのルーフトップバーに行ったときはかなり驚きました。夜景の綺麗さやバーのお洒落さよりも、建物のフチ、ギリギリまでいける事に。柵からちょっと身を乗り出せばそこはもう空中。絶対にここでトランポリンとかしないほうがいいと思います。そういえばこの時一緒に行った友人は、いつかここでプロポーズをして、もし失敗したら飛ぶと言っていましたが、その後音信不通なのが答えなのでしょうか。
もうひとつバンコクの高いところで印象に残っているのはマハナコーンタワーの78階にある「マハナコーン・スカイウォーク」。地上314mの高さの展望台で、バンコクでも随一の高さを誇ります。で、ご存知の方も多いと思いますが、ここの特徴は展望台の床が透明なガラスであること。つまり自分が空中に浮かんでいるような感覚になるのです。僕も昨年訪れてみたのですが、足元の透明な部分に最初の一歩を踏み出すのが意外と怖い!高さはもちろんのこと、これって本当に絶対、決して、神に誓って割れない?という不安。僕は昔からガラスへの信頼感がガラスのハートなのです。しかし勇気を出して、えいっとガラスに乗ってみました。うわ、こわ。足が震えて下を見れないぞ…男性にしか分からないであろう表現をお許し願えるなら、ゴールデンなボールがひゅんとなる、あの感じ!どの感じか分からない女子は、近くにいる一番大切な人に聞いてみようね。もしいなかったらごめんね。…だとかそんな事はさておき、しばらく経つとだんだん怖さも薄れ、足元も平気で見れるようになりました。自分が中年男性なのも忘れて、まるで街を見下ろす天使のような気持ちに。なんなら、より良い写真(構図によっては空中に浮かんだような写真が撮れる)を撮ろうとするアジアの団体ツアーの方達に、ぐいぐい押されてどかされた事のほうが怖かったよね。
ガラスの上はカメラ禁止。1人だったので警備員さんに撮ってもらうハメになったぞ。
ワキサカコウジ
イラストレーター
武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、雑誌や広告を中心に挿絵を提供。『週刊文春』での連載は10 年に及んだ。『an・an』でのエッセイ連載をきっかけに執筆活動も行う。毎年七夕に見つけた面白い短冊を、ブログやインスタで紹介する「短冊チェック」という活動もしている。
ワキサカコウジのブログはこちら