タイの食材でひと工夫
我が家のおすそわけレシピ　vol.3

タイで手に入る食材や調味料を活用してアレンジした家庭料理のレシピを紹介していきます。
バンコクで暮らす先輩たちは、どんな工夫で毎日の食卓を乗り切っているのでしょうか。
生活の知恵のおすそわけ、ぜひ今晩の献立に取り入れてみて下さい。

ユキさん
下町情緒あふれるエリアで一男一女と夫の４人暮らし。調理師経験を活かし、栄養と時短を備えたズボラ飯を日々考案中

人気ブランド「MUZINA」を切り盛りするユキさんは、タイ生活12年目。

好奇心いっぱいに地の野菜や既製食品を取り入れたレシピは、まぜるだけ、のせるだけの、忙しい私たちの暮らしにも役立つヒントが盛りだくさんです。「我が家は来客が多く、タイ人が『腹へった～』『サプライズだよ！』と突然現れることも。ねぇ、留守だったらどうするの？って思うんですけど(笑)。だから材料は基本的に近所の市場やコンビニで揃えられるもので」。なかでも買い置きできる缶詰は強い味方。タイで見かけるサバ缶の多くはトマトソースで煮込まれており、そのままでも食べられますが、ひと手間加えれば文句なしの一品に。

「サバの骨を取りたい時は、炒めながらフライパンの上でやっちゃいましょう」と洗い物を少なくする小ワザも挟みながら、常備食材でささっと簡単、あっという間に本格パスタが完成！凝縮されたトマトの甘みにとろーりとろける茄子は、子どもも喜ぶみんなが大好きな味です。「市場で売っている焼き茄子を利用すればさらにラクチン！」とユキさん。サバ缶だけでなく、ピリ辛味の赤貝缶やあさり水煮缶も、炊き込みご飯やクラムチャウダーに使えて失敗知らずとのこと。ぜひトライしてみて。

さっぱりと味わうトマトとパクチーのイタリアンサラダの手順は、ごく簡単。野菜をザクザクと切って和えたら、冷蔵庫でほどよく味をなじませて。チーズやオリーブを添えると、風味がさらにアップ！


⇓ 消化促進効果があるディル（パクチー ラーオ）


茹でて調味料とからめるだけでＯＫのオクラのマリネも、素材のシンプルさが際立ち、あとひく美味しさ。 ついつい手が伸びる、箸休めにも最適なメニューです。

「冷ややっこ、焼き魚、水炊き、何にでも合あいますよ」と太鼓判を押すのは、料理をワンランク上の味に押し上げる、魔法の調味料。大豆ベースのシーズニングソース、ソーストゥアルアンに生の唐辛子とにんにくを漬けた、いわばタイ版にんにく醤油です。材料をあわせたらしばらく置くのがコツで、常備しておくと何かと便利。鶏肉もトースター仕上げなら時短かつ、余分な水分が抜けてパリっとした食感に。彩り野菜や温泉卵で飾れば、ごちそう感もちゃんと出ます。ちなみにコンビニでも買える温泉卵は、ユキさん一推しアイテム。のせるだけで即完成の「温玉＆納豆丼」は一人ランチの定番だそうです。

1 サバ缶とナスのパスタ

材料
・サバ缶 １缶
・茄子 １本
・にんにく 一片
・白ワイン 大さじ１
・ディル（パクチーラーオ） 適量
・パスタ 100g（茹で用に塩小さじ１）
・塩、胡椒　少々

⇑サバのトマト煮缶はコンビニでも買えます

作り方
1．茄子はトースターで10分ほどグリルし、皮をむいておく
2. フライパンでにんにくの香りを出してから軽くほぐしたサバ缶を入れ、白ワインを加えてくさみを飛ばす
3. 茄子を加えて少々煮込み、塩と胡椒で味をととのえる
4. 沸騰した湯に塩を入れパスタを茹でる
5. 茹であがったパスタにソースをからめて、ディルを添える

2 トマトとパクチーのイタリアンサラダ
材料
・トマト　１個
・赤玉ねぎ 1/4個
・パクチー １束
a オリーブオイル 適量
b 酢、塩、胡椒 少々

作り方
1. 赤玉ねぎを薄くスライスし、酢を少し加えて軽く揉み込む
2. 一口大に切ったトマトとパクチーを1 と合わせ、そこにabを入れて混ぜ合わせる

3 オクラのマリネ
材料
・オクラ 10本
・エクストラバージン オリーブオイル 適量
・塩、胡椒　少々

作り方
1. オクラに塩を振って板ずりしながら 産毛を取り、さっと茹でる
2. 粗熱を残したオクラを一口大にカッ トし、塩、胡椒、エクストラバージンオリーブオイルで和える

4 特製シーズニングソースとグリルチキン

材料
a 薄緑色の唐辛子（プリックユアック） 数本
b にんにく 適量
・ソーストゥアルアン 適量
・鶏肉（その他、お好みの 肉や魚でもOK）
・塩、胡椒 少々
・彩用のパプリカ、温泉卵などお好みで

⇑ソーストゥアルアンはガパオなどに使われるタイのたまり醤油のようなもの

作り方
1．スライスしたa、bをソーストゥアルアンに漬け込み、30分～ ひと晩以上置いておく

2. 鶏肉に塩胡椒をしてこんがり焼き、 彩用のパプリカや温泉卵を盛り付けて、1のソースをかける