2018.04.27ワキサカコウジ
ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわバンコック」 〜マーブンクロンセンターでオリジナルキャップをつくる〜
バンコクには数多くのショッピングモールがありますが、僕のお気に入りの一つはマーブンクロンセンター(通称MBK)。ほんのり暗めな照明、広い敷地にごちゃごちゃと並ぶ小さなお店、堂々と売られるコピー商品……そういった雑多な雰囲気が好きなのです。 さて、そんなMBKの中で日本へのお土産を探していたら、面白いお店をみつけました。その場でオリジナルキャップを作ってくれる(つまり野球帽に好きな文字を刺繍できる)お店でございます。 値段は1つ500Bで、15分ほどで仕上がるのだとか。ちょうど運良く円形脱毛もしていますし、帽子があると何かと便利。一つ注文してみる事にしました。 まずはキャップ自体の色決めから。迷っていると、店員のお兄さんが黄色をお薦めしてくれました。しかし日本では黄色の帽子をかぶると、通学途中の小学生にタメ口をきかれる可能性もありますので、ここは無難な黒をチョイス。 あとは刺繍したい文字を指定するだけです。せっかくですのでタイ文字がいいですよね。しかし困った事に僕はタイ文字が全く読めません。なんとなく適当にかっこいい文字を組み合わせるという手もありますが、これは大胆な賭け。なぜなら組み合わせによっては奇跡的に「WAKIGE」などといった単語になってしまう事もあり得ます。 僕の名前はワキサカで、他の方より脇との付き合いが深く、その可能性はむしろ高いと言えるでしょう。今まで日本で真面目に暮らしてきて、最終的にタイで頭に脇毛を乗せたおじさんになるワケにはいかないのです。 ……などと悩んでいたら、ふとタイ語で唯一知っている文字を思い出しました。それは「バーツ」。買い物をする時に必ず目にしますもんね。 これだ!と思い、店員さんに「バーツ」という文字の刺繍を頼むと 「マジで?」 みたいなお顔。なぜでしょう……だってヒップホップ系の人のキャップには$のマークが入っていますよね(うっすらの記憶)。 だったらバーツだってお金の単位ですから、ほぼ同じ事ではありませんか。しらんけど。 こちらがバーツキャップ。店員さんが終始ニヤニヤしていました。……だよね そして自動ミシンによる刺繍を終え、完成したオリジナルキャップ。 かぶってみると中々いい感じ。一国の通貨単位を頭に乗せている責任感から、身が引き締まる思いです。皆様もぜひ一度お試しあれ。
ワキサカコウジ 武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、各種媒体にて活躍。「週刊文春」「MEN’S CLUB」といった雑誌での挿絵連載の他に、近年では雑誌「an・an」でコラム連載を持つなど、執筆活動も行う。鳥を見るのが好き。 ワキサカコウジのブログはこちら