2019.06.19ワキサカコウジ
ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわバンコック」 ~トラと写真を撮る~
僕にとっての海外旅行の楽しみのひとつは、日本ではできない珍しい動物との触れ合いでございます。ここタイでもこれまで色々な体験をしました。例えば、象に乗ったら長い鼻でチップをもぎ取られる事を知ったり。ワニ園でエサやりをしたら、ワニよりも腐りかけのエサの魚を素手で掴むほうがよっぽど怖かったり。動物園でスカンクを抱っこしてみたら、オナラをする余裕すらなさそうな悲しい目をしていたり。ヘビ園では黄色いニシキヘビ(大蛇)を首に巻かれ、ちょっとした春先のストールのようになったのも素敵な思い出です。そのまま絞められても、おしゃれに天国へ行けそうですよね。
そして今回も新たな動物との触れ合いを求めて、チェンマイにある「タイガー・キングダム」にやってきたのでございます。そう、ここは猫科最大の種である「トラ」が飼育されている施設。動物園ではなく「トラと記念写真を撮る」という事に特化しているので、選ぶトラの大きさによって料金が違ってくるようです。どれどれ……ビッグが700B、ジャンボが1100B、そしてホワイトタイガーが1200B。う〜ん、ちょっとお高め……と感じ、思わずビッグをチョイス。指名料をケチるとロクな事がないよと、おばあちゃんが言ってたような、言ってなかったような気もしますが、仕方ありません。
園内に入ると、まずは同意書にサイン。自己責任だし、噛まれてもアタイ知らないからね……的な事が書いてあったと思われます。それから大きな檻の中に誘導され、ついにトラとのご対面!頭部に近づくのは危ないとの事前説明を受けていたので、スタッフさんが、その辺で拾ったような謎の棒でトラの気を引く間に、そっと背後へ回りました。やはり間近で見るトラはかなりの迫力……っ
てゆうか今気付いたんだけど、 鎖に繋がれてないじゃんチミ!気まぐれにカプーッなんつって噛まれても、その謎の棒だけでどうにかなるのでしょうか。まぁとりあえず、虎のご機嫌は良さそうなので、恐る恐る背中をナデナデ。思ったより固めの毛質ですが、撫でられるのは好きなようで、ゴロゴロと喉を鳴らしてくれました。か、かわいい。同じトラでも、近所のややこしい阪神ファンの方より全然かわいいです。などと調子に乗っていたら、トラが急に振り向いて、びっくらこいたりもしましたが、無事に一通りの撮影をし、スリリングな時間は終了したのです。
ワキサカコウジ 武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、各種媒体にて活躍。「週刊文春」「MEN’S CLUB」といった雑誌での挿絵連載の他に、近年では雑誌「an・an」でコラム連載を持つなど、執筆活動も行う。鳥を見るのが好き。 ワキサカコウジのブログはこちら