2018.04.26ワキサカコウジ
ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわバンコック」 〜クロコダイルファーム&ズー 続編〜
前回に引き続き『クロコダイルファーム&ズー』のお話。(前回の話はこちらから)バンコクから車で1時間強、サムットプラカーン県にあるワニ園&動物園でございます。 前回はここで毎日行われている「ワニがぱっくり開けたお口の中に手や頭を突っ込む」だけという、無茶なショーをご紹介しました。しかし実はもう一つ、楽しみにしていた事があったのです。 それは珍しい動物と記念写真を撮ること……タイの動物園では、珍しい動物を抱いたり触ったりできる事が多いのですが、この園にもワニやトラなどと記念撮影できるサービスがあるのだとか。ちなみに他の動物園で以前、スカンクを抱っこした事もありますが、その珍しさによる高揚感と、後で何か得体の知れない高熱が出そうな不安感で、思春期の男子のような気持ちになりました。あの時ならスカンク以上のおならも出せた気もします。 さて今回はどんな動物と写真を撮ろうかと思いつつ、とりあえず撮影コーナーへ到着。看板には大きなトラに密着して笑顔を見せる観光客達の写真が貼ってあります。 おぉ、これぞまさにハイリスクローリターン。トラに突然噛まれるリスクを負い、得られるのはSNSでの「いいね」くらいでしょうか。そもそも保険とかは……などと細かい事は考えてはいけません。だって暑いからです。 で、早速係のおじさんにトラとの撮影をお願いしました。 しかしおじさんは顔の前で何度も手を振るばかり。おじさんだけが見えるハエでもいるのかと思ったら、なんと「今日はトラはお休み」の意味だったのです……。 残念ですが、動物にも休日があると知り、むしろホっとした気もします。 するとおじさんはチンパンジーの赤ちゃんとの撮影(200B)を薦めてくれました。せっかくなのでお願いすると、すぐにチンパンジーの赤ちゃんが登場。 膝の上に抱っこをしてみますと、うんとね、非常に稚拙な感想で申し訳ないけれどね、超かわいい! こんなに放心状態なお顔をしているとは夢にも思いませんでした おめかししちゃってまぁ♡。ちょっと湿ってるし、手に謎の茶色い汚れもついたけれど、もはや全然気になりませんよね。なんならもう舐めちゃうくらいです。 もちろん実際はものすごく洗ったけれど、それにしてもこんな大人しい赤ちゃんが、そのうち握力が200〜300kgにもなり、群れの中の順位をめぐって凶暴化するなんて信じられません。 何枚か写真を撮ってもらう間だけの触れ合いでしたが、大人になっても僕だけは襲わないで欲しいです。
ワキサカコウジ 武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、各種媒体にて活躍。「週刊文春」「MEN’S CLUB」といった雑誌での挿絵連載の他に、近年では雑誌「an・an」でコラム連載を持つなど、執筆活動も行う。鳥を見るのが好き。 ワキサカコウジのブログはこちら